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特選
『車夫の手の凍えて赤し八坂道』
☆描写が細かく、句も写真もうまい。
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準特選
『点燈の刹那に駆けたからっかぜ』
☆冬の夕刻の一場面の切取りが鮮やか。
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入選
『冬木立空を下地の切り絵かな』
☆「空を下地」という句と写真のいい構成。
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入選
『あまたなる足跡辿る冬山路』
◎適切な表現で情景がよく見える。
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入選
『月凍てしヒュルルヒュルルと風の音』
◎雰囲気がよく伝わる。色も構図もよく、中央奥のピンクも効果的。
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入選
『こんにやくの山と積まれし初閻魔』
◎情景の切り取り方がいい。写真の解像度不足は惜しい。
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奨励賞
『初霞まとひて眠る阿蘇五岳』
◎「初霞まとひて」が雄大な写真とともにいい雰囲気を出している。
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奨励賞
『水面より雲湧き出ぬ春隣』
◎水面から雲が湧くという発見が面白い。
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奨励賞
『底などは知らぬが仏鳰』
◎いい発見の句。もう少し広く撮れば池の底も感じられる。
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奨励賞
『開港の栄華過ぎるや寒日和』
○想いを馳せる句と写真で遠近感もある。「栄華」の具体性もほしい。
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奨励賞
『紅葉散る島にフェリーのアプローチ』
○到着のわくわく感がある作品だが、甲板の表現が柱でない方がいい。
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交流促進賞
『寒梅や竹馬の友と天守閣』
○季語が効いているいい作品。きれいな寒梅をアピールしてほしい。
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『あの時も師走の雨や峠越へ』
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『城支ゆ角石あわや春を待つ』
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『山晴れて水面に溶ける冬の空』
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『冬の凪震えし阿蘇に涅槃かな』
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『雪猿の出で湯天国地獄谷』
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『雪傘の声の燥ぐや仁王門』
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『年の瀬や枯れぬ泉水に光湧く』
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『日向ぼこ独りぼっちの通り初め』
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『覆ひごと赤白ピンク冬牡丹』
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『草枕難儀な坂の冬苺』
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『冬牡丹内緒の話なにぬねの』
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『春近し上生菓子のキャラクター』
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『雅なる都の橋や冬の午後』
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『紅葉散る夕暮れ時の嵐山』
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『窓を開け入日覗くや冬の海』
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『杖の音鳥遠巻きし年を待つ』
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『荒々し鎌研坂の凍雨かな』
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『四百年守護す観音年深し』
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『漱石忌猫ひざの上いびきかな』
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『冴ゆる朝考え重く磨く靴』
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『繋ぐから胼にクリーム塗りこんで』
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『しぐるるやかけ込む茶屋のだんご汁』
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『とりどりの音が音追うしぐれ山』
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『冬ざれやしじまの朝を行く小舟』
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『一切の煩悩はらひ冬木立』
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『悴むや十指のつつむだんご汁』
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『群れ飛ぶや船に添いたる冬かもめ』
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『寒晴れや一気飲みする缶コーヒー』
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『風冴えて汽笛一声とどろかす』
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『獅子舞を待つ楽堂に三味の音』
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『晩酌や肴は上等寒茜』
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『冬霧の里へ下りくる速さかな』
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『小天路やしぐれの中を行く一歩』
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『コート着て人影寒き世界遺産』
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『煙なき茶屋の竈や隙間風』
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『激震を耐えて師走の水鏡』
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『挨拶の切欠冬の風に消え』
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『冬晴や羽音集いし赤い壁』
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『春近しもやもや澱む釣り禁止』
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『馳走だね夫を覗く漱石忌』
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『古道傍杖音忙し晦日ごろ』
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『相棒の柴と染まるや冬茜』
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『除夜の音やヱビス片手に阿蘇の宿』
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『紐何処内藤新宿初閻魔』
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『極楽の錠前に触れ冬の雨』