冬季受賞作品
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特選
漱石忌旅のホテルの正露丸
多田 檀様(大阪府高槻市)
正露丸と漱石忌が旅先での漱石の胃痛を思わせるすばらしい構成で、テーマ性も高くて見事。
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入選
ガス燈にふんわりと雪銀山温泉
鹿沼 湖様(栃木県鹿沼市)
地名も利いていてレトロで、銀山温泉の情景が目に浮かんでくる。
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入選
内子座の硝子戸にある冬の空
小川裕子様(玉名市)
「硝子戸にある」という表現の断定が印象を強めていて写真とマッチしたすばらしい写生句。
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奨励賞
光秀の天下の夢や冬の霧
中立喜広様(京都府亀岡市)
「冬の霧」が利いていて、写真とマッチしている。
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奨励賞
盆栽の武将初日に気勢上げ
のりお様(熊本市)
句と写真がマッチしていて、面白い作品。
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奨励賞/span>
鬼瓦悪疫睨み大師粥
奥村こうぶん様(東京都世田谷区)
タイムリーでもあり、力強い句。
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俳句賞
摘む人の見え隠れする蜜柑畑
金子 毅(熊本市)
きちんとした写生句で、遠近法がしっかりしている。写真(の場所)が惜しい。
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写真賞
小春日やアニメに魅入る予讃線
小山京子様(玉名市)
子どもの目線と絵がうまく切り取られている。
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テーマ賞
土産屋の坊ちゃん万十冬の旅
宮川和子様(玉名市)
雰囲気に合ったゆったりした表現がよい。
春季受賞作品
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特選
コロナ禍に木蓮の白穢れなし
晩鐘様(玉名市)
「木蓮の白」がよく利いていて、「に」が「においても」と深く、「なし」という強い切れがよい。
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入選
馬子唄を聴きつ湯治や春霞
奥村こうぶん様(東京都世田谷区)
草枕の世界がよく出ていて、のどかな湯治の景で、季語も利いている。
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入選
温泉の蛇口の錆や長閑なり
小山京子様(玉名市)
よく見て、写生できている。「蛇口の錆」が船小屋温泉ののどかな湯壺を想像させる。
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奨励賞/span>
春は嵯峨身振り手振りの仮面劇
中立喜広様(京都府亀岡市)
「身振り」「手振り」がよくとらえてます。
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奨励賞
桜散る誰も知らない死後のこと
多田檀様(大阪府高槻市)
モノクロの写真が桜の虚無感を強調して、哲学的。
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奨励賞
葺替へて目のなめらかに揃ひけり
小川裕子様(玉名市)
「目のなめらかに」に写生がよく利いている。
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奨励賞
坊ちゃんの泳ぐ湯音や春の夕
中川雄喜(松山市)
いかにも春夕べ。のびやかで道後らしい。
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写真賞
閑閑の渺々たる湖日脚伸ぶ
鈴木白湯(岐阜市)
琵琶湖の夕景がセピア調に渋くまとめられている。
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テーマ賞
啓蟄や団子しのばせ都電旅
さち様(東京都江東区)
「都電旅」とは面白く、俳句らしい俳句。
冬季作品
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阿蘇村の漬物談議夜も更けて
堀ノ内和夫様(奈良市)
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小春日に休息したる風車かな
堀ノ内和夫様(奈良市)
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冬桜攻め込む城の傍に
季凛様(神戸市)
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苔むした木の威圧感初詣
山之内崇伸様(愛知県蒲郡市)
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亡き主がすっぽり収まる本の群れ
桜さゆり様(東京都板橋区)
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右は誰?漱石先生、あなたです
桜さゆり様(東京都板橋区)
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「猫ちゃんは記念館に」と三四郎云い。
桜さゆり様(東京都板橋区)
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漱石も小春日和に阿蘇登山
山内俊雄様(熊本市)
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垰の朝電波塔消す時雨雲
晩鐘様(玉名市)
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山頂へ心機一転初詣
晩鐘様(玉名市)
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セコムして師走の街は茜色
晩鐘様(玉名市)
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霞着て 東京港の夜明けかな
Tom様(東京都北区)
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咲くための助走してゐる冬木立
中村貴子様(宮崎市)
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散り方を忘れてゐたり冬紅葉
中村貴子様(宮崎市)
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四日には位置確かめて第一歩
多田 檀様(大阪府高槻市)
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思はざる人と出会ひし暮の街
多田 檀様(大阪府高槻市)
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火の鳥の包む道後や冬茜
小山京子様(玉名市)
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異国語の響く伏見や冬温し
小山京子様(玉名市)
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穏やかに家族を照らす初明り
井上 靖様(神奈川県小田原市)
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抜き襟の残香ほのか冬の雨夜
中立喜広様(京都府亀岡市)
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霏霏とせし夜の祇園や雪女
中立喜広様(京都府亀岡市)
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城下流灯漏れたる冬の宿
源 美代子様(玉名市)
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内子座前にたたずむ冬麗
源 美代子様(玉名市)
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漱石という珈琲も冬館
宮川和子様(玉名市)
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街の灯のさんざめきたる師走かなく
小川裕子様(玉名市)
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冬霧の徐徐に晴れゆく千光寺
小山京子様(玉名市)
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納車待ち阿蘇の涅槃へ初詣
のりお様(熊本市)
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藁店や小さんのうどん漱石忌
奥村こうぶん様(東京都世田谷区)
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新旧の建築スキル春を待つ
奥村こうぶん様(東京都世田谷区)
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薄紅に汽笛の遠吠え浅き冬
佐々木優真様(愛知県長久手市)
春季作品
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足遅し我帰る道東風のなか
田中里奈様(東京都文京区)
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風光る正午の扉消えぬ想い
田中里奈様(東京都文京区)
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夢に見る春田に通づる知らぬ土地
田中里奈様(東京都文京区)
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中里に春が来たりてスズメ鳴く
Tom 様(東京都北区)
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こんにちは今年も咲いたね春の花
にんじん 様(神奈川県厚木市)
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競漕や漱石もこの湖の上
前原八寿之様(福岡県大牟田市)
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桜散り散り行く桜風の声
中村和紬様(東京都目黒区)
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坊ちゃんの初夏の集いの有難さ
竹中浩一様(岐阜市)
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故郷は何時の時でも暖かし
16年様(福岡県苅田町)
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麦踏を終えて鳥追い旗ひかる
晩鐘様(玉名市)
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唄われし激戦の跡長閑なり
晩鐘様(玉名市)
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桜時一夜に咲きし花桜
かつつつつき様(静岡県島田市)
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煩脳を運び去りゆく春の風
白瀬美智男様(京都市)
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この街は人獣共棲うららけし
多田檀様(大阪府高槻市)
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遊女らの踏絵の地とか丸山町
多田檀様(大阪府高槻市)
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池底へ春の光のあふれをり
小山京子様(玉名市)
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潮風にさざめく夕日海苔の海
小山京子様(玉名市)
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春驟雨 人は強しと 五輪待つ
三田聖子様(東京都江東区)
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咲き満ちて花散る夜の祇園かな
中立喜広様(京都府亀岡市)
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デカンショは要らぬ今宵はこの桜
中立喜広様(京都府亀岡市)
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春何処体震わす桜隠し
あまやま想様(熊本市)
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厠裏普請見守る木瓜の花
植竹照美様(玉名市)
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喜怒哀楽やビルで待つ春の雲
平久保好一様(東京都杉並区)
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黒塀の向こうは三味の春心
奥村こうぶん様(東京都世田谷区)
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古城に学ぶ子等有り花の門く
奥村こうぶん様(東京都世田谷区)
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囀りの天より地より空の青
小川裕子様(玉名市)
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漱石も越へし小天路長閑なり
のりお様(熊本市)
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しづもりて奇しき叡山春の暮れ
鈴木白湯様(岐阜市)
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春の湖あふるる解の定まりぬ
鈴木白湯様(岐阜市)