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草枕の旅 那古井の宿編
 

今も残る「那古井の宿」

明治30年の大晦日。漱石が訪れ、正月から数日を過ごした部屋が漱石館として、当時のままに保存され、一般に公開されています。ここは、当時第1回衆議院議員を勇退していた前田案山子が、来客をもてなすため趣を凝らして建てた別邸の離れの一室です。「草枕」の中では、ここが 「那古井の宿」、次女卓(つな)がヒロインの那美として描かれています。


漱石館(前田案山子別邸)

「那古井の宿」前田案山子別邸とは

かんてらや師走の宿に寝つかれず 漱石 

 前田別邸の離れ(現漱石館)の一角に立つ句碑は、夏目漱石来熊100年記念事業を実施した「96くまもと漱石博推進100人委員会」より贈られたものです。
この離れに泊まった際に詠まれたこの句には、新婚で迎えた熊本の初正月のできごとに懲りて旅にでたものの、一人残してきた鏡子夫人のことを気遣う漱石先生の複雑な心情が表れています。


湯煙の中の名場面を産んだ 前田別邸の風呂場跡

 前田別邸の風呂場跡に湯壺が当時のままに残され、保存されています。

 「草枕」で、画工が入浴しているとき、湯煙の中に、那美さんが手拭いを下げて湯壺へ下りてくる情景が描かれています。
この真相は、あと片づけを終えた卓さんが「女湯がぬるかったので、もう遅いから誰もはいっていないと思って男湯にはいって行ったら、夏目さんと山川さんがいたので、あわててとびだした」のだそうです。

草枕絵巻「湯煙りの女」(松岡映丘画)


「草枕」の里のオリジナル出版物(天水町制作)

草枕の里を彩った人々(販売中=漱石さんのお札1枚と交換) ※野口さんでけっこうです。
  <著者/熊本大学中村青史教授・熊本学園大学上村希美雄教授>

漱石の見た美と草枕絵巻展図録(展示会限定版=残部につき販売中) ※終了しました。
  収録作品:草枕絵巻、永田萠・葉祥明の草枕絵、漱石自筆画ほか
<特別寄稿/半藤一利氏、解説/熊本大学中村青史教授、漱石の芸術論/西南学院大学佐渡谷重信教授>

ビデオ草枕入門(学習会へ貸出受付中=無料) ※送料はご負担ください。
  <制作/天水町・松竹大船撮影所、監督/花輪金一、声/渡辺美佐子・木場勝己、出演/高橋亮二>


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