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特選
『嵯峨の夜を焦がして高し御松明』
やや言葉が多いのは気になるが、奥古都の雰囲気が良くでいます。火の粉の感じがとてもきれいです。縦位置も見てみたい。
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準特選
『我が城よガランゴロンと夜半の春』
震災に遭った熊本城への哀惜がいいです。テーマ性が乏しいのが惜しい。
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入選
『電車いま駅に佇む竹の秋』
句も写真もいい雰囲気で、心が和みます。
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入選
『長閑なり有明の海小天の湯』
情景が良く、季語が効いています。日が射してコントラストがあればもっといいでしょうね。
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入選
『初音きく石塀小路の曲がり角』
雰囲気がいい。情景に戻しているので飽きが来ない。左上の黄みの光が強いのでカッとすればさらにシックないい情景となる。
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入選
『春光や木精やどる瘤ふたつ』
中七の措辞が面白い。瘤の捉え方が圧巻。テーマ性の薄さが惜しい。
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奨励賞
『竹林に降る歌声はシジュウカラ』
擬人化がよく、そのままの素直な表現です。うまく逆光と竹林が納められています。
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奨励賞
『丘に立ち潮風はるか花見かな』
素直な表現ですね。有明海の雰囲気も良く潮風も感じられます。
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奨励賞
『島より東風抗いたる竿ひとつ』
発見があります。ターナー島と釣り竿の構図がいい。
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奨励賞
『麗かに二人峠を越えにけり』
「二人」に詩情がある。峠道のさわやかさが捉えられている。
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交流促進賞
『校門のラムネが癒す荒稽古』
素直な句です。道場から声が聞こえてくる雰囲気があります。「校門や」という方法もある。
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交流促進賞
『草餅を食べ歩きして帝釈天』
当たり前だが面白い。句を連想する構図にもう一工夫がほしい。
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『貝寄風や修学旅行みんな無事』
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『足元に春見つけたり善光寺』
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『マドンナは 坊ちゃん待って 湯治船』
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『これがまあ祗園の美女か春の夢』
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『釈迦堂や閻魔四股踏む嵯峨の春』
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『草枕言えば漱石那美さんを』
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『智と情と意地と雲雀と山路と』
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『我もまた菜花黄裏の人となる』
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『風走る愚陀仏走る梅雨明くる』
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『つけ払ひ木の枝払ひ句会の日』
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『担任になつてほしいな花椿』
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『千年の古都の標(しるし)か竹の秋』
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『公園の表は春の真っ盛り』
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『宮城の 西日桜を 立てにけり』
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『保津川の 朝日桜を 立てにけり』
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『大阿蘇の万鈞として夏来る』
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『志高し眼下の青嵐』
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『蓬もち寅の日参り従ゐぬ』
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『春の雨小半酒や石畳』
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『山里に桜のアーチつづきをり』
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『空映える鏡のごとき池の春』
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『グールドを聴き終えてなお花のうち』
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『時ふりて花見のできる世を護衛』
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『花見してわが身すなわち空となる』
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『花みかんぶんぶんぶんと天空へ』
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『大山の薫風食べる鯉三つ』
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『七曲がりリュックをおろし山桜』
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『朝桜はるかに望む普賢岳』
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『五高の壇八雲と漱石春の夢』
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『日の本の春は曙三角港』
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『朝もやの晴れて裏山から初音』
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『花こぶし道を見下ろし光り立つ』
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『古城のごとき石垣や雛の段』
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『菜の花や島原のぞみ峠越ゆ』
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『何処より背にひと声の初音かな』
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『水温む湧水池や君の影』
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『春の樹や門番のごとく古屋敷』
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『春の宵池を震わす大鯰』
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『遥かなる思ひ出すかな春の夢』
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『舷窓にターナーの息春暑し』
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『マドンナが風光る中車窓行く』
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『老舗より子供が入る椿の湯』
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『坊っちゃんへ君も飛び乗る春鉄道』
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『終焉の間より眺めし菜の花や』
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『石積みの段々畑春の風』
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『頂やなんと長閑けき西海路』
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『春の池身投げするには丁度良い』