(3)経塚・大塚古墳群(熊本県指定史跡)
金峰山系三ノ岳から玉名市天水町の立花と部田見にのびる丘陵上には4世紀?5世紀頃に造られた大塚古墳・小塚古墳・経塚古墳・経塚西古墳の四基の古墳が連続するようにあります。
この古墳群は県下でも数少ない大型の円墳群に含まれており、有明海沿岸の古墳の変遷を知る上で、大変重要であるとして平成10年に熊本県指定の史跡になりました。
・大塚古墳
経塚・大塚古墳群のなかで最大の古墳です。発掘調査では、県内最大級の墳長約100mほどの前方後円墳である事が判明しました。また、古墳からは四つの箱式石棺と壺形土器の破片が出土しまた。主体部すでに盗掘を受けており、盗掘坑内からは、鉄鏃、鉄刀、鉄斧などの鉄製品が出土しました。また、墳頂には舟形石棺の壊れたものが散乱していた事から中心となる埋葬施設は舟形石棺と思われます。以前、この古墳の箱式石棺の一基から鏡が出土しています。舟形石棺の形態や出土した壺形土器、鉄製品などから経塚古墳に近い年代が考えられます。
・小塚古墳
経塚古墳に隣接する直径約28mの円墳。平成8年度の発掘調査で壺形埴輪が出土しました。壺形埴輪の形から4世紀後半?5世紀初頭の年代が考えられます。
・経塚古墳
小塚古墳の北にあり、現状の直径約50mの円墳。墳頂から舟形石棺が発掘され、石棺内には人骨一体が葬られており、副装品として短剣1振、外装付き短剣1振り、珠文鏡1面、碧玉製管玉3個が置いてありました。なかでも外装付き短剣は鞘の部分に紐を巻いた見事な装飾が施されて残っており、大変貴重な出土品です。出土した壺形埴輪や舟形石棺の形態から4世紀末?5世紀初頭の年代が考えられます 。
・経塚西古墳
経塚古墳の西約250mにあり、現状の直径約26mの円墳で墳頂部に安山岩の板石があるので箱式石棺を埋葬施設とすると思われます。出土品、築造時期などは不明です。 |